うつについての本は近年よく見かけるが、「気分障害」とい言葉は馴染みがなかったため、どういうものか興味を持った。私自身が昔から感情をコントロール出来ずに悩むことが多かったため、なにかヒントになればと思いこの本を読んだ。
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現在日本では、自殺者が年間3万人、うつ病患者は100万人を超えている。自殺者が増加している要因は、社会的要因とうつの増加の2点挙げられる。また、長年うつと思われてきたものの中には、うつと躁を反復する双極性障害というタイプがあることが分かってきた。
自殺者増加の社会的要因としては、核家族・単身世帯が増えているという現状がある。大家族の縛りからは解放されたが、多くの人が孤独に晒される状況になってしまった。また、不安定で変動の激しい競争社会に身を置いていることもストレスを加速させる。
冒頭で述べたように、自殺の要因となるうつには、うつと気分障害の2つのタイプがあることが分かってきた。うつは、従来からの認識の通り、気分が落ち込んだ状態が長く続くことである。気分障害とは、うつと躁、いわゆるハイの状態が交互に現れる。そのため、うつが治った・元々の性格である、というように勘違いされやすい。しかし、躁の状態では気分が高揚し、制御が利かなくなっているため、自分はなんでもできるような気持ちになったり、重大な事柄を深く考えずに決断してしまうので注意しなければならない。
うつは、環境によって発症する場合が多いが、気分障害は遺伝や幼少期の境遇による影響が大きい。また、どちらも生活習慣が大きく関わってくる。ストレスに晒された環境で長時間労働が続き、睡眠不足が続けば精神的にタフな人でも発症の可能性が高まる。バランスのとれた食生活・良質な睡眠・適度な運動の確保が必須である。発症する・しない、回復する・しないにも規則正しい生活習慣が密接に関係している。
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この本を読んで、気分障害が遺伝によるものと知って気持ちが楽になった。気分が酷く落ち込む日も、逆に快活になる日もあるが、自分はそういうタイプなんだと上手く付き合っていけそうだ。自分をコントロールするために、規則正しい生活の確保がいまは急務だ。落ち込んで眠れない日や、何も手につかず栄養の偏った食事が続いた時は症状がさらに悪化している。自分に負けないために、基盤をしっかり持つこと、症状を受け止めて向き合うこと、そのことが解決につながっていくだろう。
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